文部科学省 大都市大震災軽減化特別プロジェクト
レスキューロボット等の高度な次世代防災インフラ構築研究グループ 個別テーマ説明


1.テーマ名
 自律型無人ヘリコプターの研究開発

2.実施責任者(所属機関・氏名)
 独立行政法人 産業技術総合研究所 知能システム研究部門 フィールドシステム研究グループ 小森谷清

3.期待される成果
 本研究で開発する自律型無人ヘリコプターは,災害が発生した場合にすぐさま現場に持ち込み,災害現場の画像情報等を収集出来,迅速かつ効率的な救助活動の支援に供することが出来る.また,無人ヘリコプターには画像センサーなどのセンサー類を搭載することによって,被災状況や被災者の有無等の情報を他のレスキューロボットや人に提供することが出来る.この無人ヘリコプターは特に飛行経路や観測地点の位置を高精度で制御することを特徴とするため,利用価値の高い情報を提供可能である.

4.専門分野外の人への成果の公表方法
 地上局の地点から災害現場へ自律で飛行し,現場の状況に関する情報を地上局に送信し,その後地上局のところまで戻ってくるという様ないくつかのミッションを野外に於いて実施し,自律飛行時の飛行経路の正確さなどの性能を示す.

5.内容詳細
Fig. 1 Mission Image
 
Fig. 2 System Configuration
 大震災,火山噴火,原子力事故など我々に甚大な被害を与える自然災害や人為的災害は絶えることがない.この様な大災害の救助活動の現場では,大変危険な状況や区域が存在し救助活動を妨げたり救助作業者らに二次被害をもたらしたりする.その一方で,被害を最小限に食い止める為には,危険区域も含めて情報収集により迅速かつ詳細に状況を把握し,更に現場に入って行き救助活動を行う必要がある.それ故,人に代わって危険区域での救助活動を行う無人のシステムが切望されており,特に無人情報収集システムは実現性が高く,大きく期待されている.
 そこで我々は,災害時に利用出来る情報収集用UAV (Unmanned Aerial Vehicle)である小型無人ヘリコプターを提案している.情報収集用UAVは,地上の状況に影響されず,迅速に空中を移動出来,様々な情報を収集することが出来る.

 この小型無人ヘリコプターを用いたミッションのイメージをFig. 1に示す.ここに示す様に災害現場近くの危険でない場所までシステム一式を運搬し,そこに設置した地上局の場所から自動離陸して目的地まで自律飛行し,現場の映像取得や被災者捜索などのミッションを行い,ミッション終了後は自律飛行で帰還し自動着陸する.基本的には離陸から着陸まで全て自律的に行うことを目指す.もちろん,ミッション遂行に柔軟性を持たせる為に,収集した情報をリアルタイムで地上局に送信し,必要に応じて運用中に随時ミッションの変更が可能なシステムとする.

 システムの構成としては,Fig. 2に示す様に無人ヘリコプターと地上局によって構成される.無人ヘリコプターはローター径が1.5m程度,総重量6kg程度とし,この機体に制御ユニット,航法用センサユニット,無線通信ユニット,情報収集用センサユニットを搭載する.地上局はノートコンピュータとデータリンク用の無線通信ユニット,GPS基準局からなる.



Y. Morikawa morikawa.y @ aist.go.jp