速報4/4(20000405-17.20.18)

From: SHINOHARA
《《 地質調査所 有珠火山噴火対応状況速報 - 2000.04.04 》》
■本日の有珠火山活動状況情報
◎地殻変動は停滞中
有珠山周辺GPS連続観測結果によると、3/29以来、虻田-壮瞥、虻田-伊達で見られた
地殻変動(収縮)は、4/3に入って停滞中。
◎火口付近に高温域(42℃、38℃)
4/3に実施した赤外映像装置による山体温度観測結果によると、金毘羅山西側山麓火
口の最高温度は42℃、31℃の高温領域があり、西山西麓の火口周辺には、北北東-南
南西に配列する高温領域群があり、最高温度は38℃。
◎噴火活動は断続的に継続中
噴火活動は西山西麓と金比羅山西側山麓の2つの火口群で断続的に継続中。金毘羅山
西側山麓火口からの噴煙は5時15分に1200mまで上昇した。
17時ころ、西山西麓の火口群(3/31形成)より西山山頂側に、新しい噴煙(白煙)が
観測された。
◎井戸水噴出
伊達市長和中学校の井戸水の自噴が生じた(1-2t/min)。
■地質調査所の調査
◆現地調査
◎洞爺湖南岸及び道央道虻田IC東近くの断層群の調査
虻田IC東の断層群は、1-2日中に形成されたものではないと思われるが、本日の調査
の結果、現在も活動していることが判明。調査結果を火山噴火予知連絡会に報告。
今後も継続して観測を行う方針。
◎洞爺湖東湖畔における地殻変動観測
洞爺湖東湖畔(定点No.2)において洞爺湖南岸の地殻変動を検出するために、セオド
ライト(測量機器)による観測を実施。
◆分析・解析
◎火山噴出物分析
火山灰中の発泡ガラスについては、ガラス及び含有鉱物の形態の観察、微少領域の成
分分析を実施中。
軽石は化学分析実施中。
【参考】噴出物の形態・組成等を調べ、過去の噴出物などとの比較を行うことによ
り、活動に関与したマグマの特徴などを把握することが可能となる。

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