三宅島火山のマグマ
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藤井ほか(1984)火山29巻S266-S282、および宮坂・中川(1998)火山43巻433-455、
にもとづいて、噴出物(地表に出たマグマ)の特徴をまとめてみました。
※現在文章作成中
噴火活動記録:
歴史時代(1085年以降)に14回。最近の活動は、1940年、1962年、1983年。
★1940年噴出物の特徴:
・斑晶量は27vol%、比較的不均質(火口列ごとに異なる)、橄欖石、斜長石のメガ
クリストを含むものもある。
・斜長石メガクリストの中心部は均質クリア、An90以上。周辺部は顕著な正累帯
でAn75-85。普通の斜長石斑晶は中心部に汚濁&オシラトリー累帯をもちAn90-95
とAn80-85とAn50-70にモードのピークを持ち、An70以下は逆累帯のことがある。
・単斜輝石は普通輝石。中心部はMg#64-78。Mg#70以上のものの累帯は正逆両方
があるが、Mg#70以下のものは逆累帯ばかり。
・斜方輝石中心部はMg#59-72と比較的均質で、顕著な累帯はない。
・橄欖石メガクリストの中心部はFo77-85で、周縁のFo75に向かって正累帯。中
心部のMg#は輝石より明らかに多い。輝石&斜長石と集斑晶。それ以外の橄欖石
斑晶は斜長石&単斜輝石と集斑晶をし、Fo80以上のものは正累帯、Fo80以下はフ
ラットである。
★1962年噴出物:
・斑晶量は2%以下、比較的均質。
・メガクリストは含まれない。
・斜長石斑晶の中心部はクリア、An64-95の組成幅があるがAn75-85のユニモーダ
ル組成。大部分は正累帯、An80以下のものは逆累帯もある。
・単斜輝石は普通輝石。Mg#67-75のユニモーダル組成。顕著な累帯構造を持つも
のもあるが、フラットなものが多い。
★1983年の噴出物:
・斑晶(斜長石、単斜輝石、磁鉄鉱)量は噴出地点によって異なり、古期外輪山内
側から出たものは1%程度、その外から出たものは5-8%の斜長石斑晶を含む。
・斜長石は中心部がAn80-87。正累帯構造。周縁部はAn65-70(石基斜長石An62-64)。
多くの場合ガラスまたは単斜輝石包有物をもつ。※ガラス包有物に液相不混和も
みられる。
・単斜輝石斑晶はCa40Mg44Fe16ぐらい。石基輝石はすべて単斜輝石。
Wells(1974)は1070-1090℃を示す。
・磁鉄鉱(TiO2=8%)は周縁部にむかってTiO2増加、Al2O3,MgOは減少。
・紫蘇輝石はごくまれ。
★1940, 1962, 1983年噴出物の比較:
・全岩組成のハーカー図上で、メガクリストを持つものと持たないものは、全く
異なる組成分布を持つ。1962と1983は傾きのにた平行線として分布。1940のうち
メガクリストを含まないものは、SiO2=56%付近で、1962,1983らと重なる。
・微量元素を両軸にとった図では、1940,1962,1983は、みな傾き1の線に乗る。
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Isoji MIYAGI