三宅島ヘリ観察報告:2001.11.21

by Isoji MIYAGI @ Geological Survey of Japan, AIST

噴火対応

筆者によるヘリ観測報告

三宅島top↑

2000年

10月10, 16, 19日, 12月27日;

2001年

1月15, 29日, 2月12日, 3月5, 26日, 4月9日, 5月14日, 7月20, 23, 27日, 11月21日;

2002年

1月23日; 3月13日; 7月12日; 8月29日; 10月2日; 11月13日;

2003年

2月25日; 4月23日; 9月16日; 10月30日;

2004年

1月14日; 4月8日; 7月27日; 10月14日;

2005年

8月19日;

(宣伝 ^_^);
火山研究解説集:


観察・報告:宮城磯治 (産総研・深部地質環境研究センター)
同乗者:東大地震研=古屋・吉本.気象庁=飯野
ヘリ:海上保安庁やしま搭載機MH684(ベル212)


画像のスライドショーはこちら→ Slide Show


目次


概要:

☆行程☆

・羽田空港離陸9時40分,新島着陸10時30分,新島離陸11時7分,三宅島着陸&離陸11時21分(古屋氏降りる).

・三宅島観察11時23分〜12時5分,COSPEC観測12時6分〜12時30分,三宅島着陸&離陸12時37分〜38分.

・新島着陸12時54分,新島離陸13時49分,羽田空港着陸14時43分.


☆噴煙☆

白色噴煙.かなり濃密で,水蒸気が多い印象を受けた.2001年7月27日に比べて,勢いは若干強め.観察中はやや脈動しながら海抜1700mかそれ以上の高度をずっと維持.白煙は島から出てもなかなか消えない.白煙の風下側にはかなり濃密な青白いガスを確認,一部は山腹を流れ下り,美茂井方面(北東〜北北東)に拡散しながら流れる.

☆火口内など☆

標高1000m程度の雲の隙間から覗くかたちで観察.南壁からやや遠い主火口から濃密な白煙が出ている.周辺の噴気孔列からの白煙は2月頃とほぼ同程度.崖錐は,7月に比べて一層発達し,中央の平坦面が狭くなった印象を受けた.噴気に近い西側の水たまりは赤錆色〜暗赤色,遠い北側のは明るい緑灰色,やや中央の小さなものは灰色〜緑灰色,すおう穴は明るい緑灰色〜水色.観察高度が高かった(1500m程度)ために,カルデラ縁,山腹,都道沿いの様子は不明.

☆COSPEC☆

島の北東側にて,円弧状および直線上にトラバース.

☆熱赤外観測☆

地調のカメラは硫黄島に出張中.気象庁・飯野氏が観測.最高温度暫定値は157℃(飯野氏,談).噴気孔直上の白煙が多量で,しかもかすみの中の遠方からの測定だったので,大幅に過小評価していると思われる.


三宅島まで

都内〜洋上

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今回の観測は海上保安庁の協力による. [1] 出発地は羽田飛行場.格納庫からモノレールがみえる.

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[2] [3]

COSPEC

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お世話になったヘリ. [4] 着陸およびタキシングの動画はこちら

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離陸直後の都内. [5]

羽田空港を振り返る.羽田空港離陸9時40分.

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[6] [7]

洋上から見る富士山.下のほうはかすんで見えない.

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伊豆大島を通過(10時12分). [8]

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[9] [10]

新島着陸10時30分,給油.

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[11] [12]

ベル212の二枚羽根はシーソーのように動く.風に悪戯されないようヒモで固定.なるほど.

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[13] [14]

新島離陸11時7分.いつもなら三宅島が前方にみえるのだが,今日は視程が悪い.

三宅島

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[15] [16]

三宅島着陸&離陸11時21分(古屋氏降りる).三宅島観察11時23分〜12時5分,


噴煙

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噴煙はモクモクわきあがる.白色,濃密で,水蒸気が多い印象. [17]

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プリューム [18]

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プリューム(1分後) [19]

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[20] [21]

プリューム(さらに1分後)

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[22] [23] [24]

標高1000mより下のほうは特にかすみがつよい.

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[25] [26]

プリュームと,たなびく青白いミスト.風は右から左に向かってながれる.

カルデラ内

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[27] [28]

赤外線カメラで火口内を覗く.

コンディションはかなり悪い.

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一瞬雲が晴れる.肉眼ではよくみえた. [29] 南壁からやや遠い主火口から濃密な白煙が出ている.周辺の噴気孔列からの白煙は2月頃とほぼ同程度.崖錐は,7月に比べて一層発達し,中央の平坦面が狭くなった印象を受けた.噴気に近い西側の水たまりは赤錆色〜暗赤色,遠い北側のは明るい緑灰色,やや中央の小さなものは灰色〜緑灰色,すおう穴は明るい緑灰色〜水色.

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[30] [31] [32]

低空の雲やカスミのため,山麓や都道沿いはよく観察できなかった.

COSPEC

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[33] [34] [35]

ここで火口観測を打ち切り,COSPEC観測(12時6分〜12時30分)に移る.北東にたなびくこの噴煙の下を,これから横切る.風は左から右にながれている.

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左:観測打ち合わせ完了. 高度,コース,速度,座標などをヘリのクルーと連絡しあう. [36]

右:COSPECの採光窓をヘリの外に出したところ., [37]

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[38] [39]

COSPEC測定中にみた三宅島.

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持参したGPS.11時32分40秒とある. [40] デジカメの時刻(画像ファイル名を参照下さい)は7秒遅れ.

GPS測位データは[41]こちら (QuickTimeMovie;944k).

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北側からみた三宅島. [42] 噴煙の下(左側)はガスのためオレンジがかっている.

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三宅島着陸&離陸 [43] 12時37分〜38分.地震研・古屋氏が乗る.


帰投

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再び新島に着陸(12時54分;左). [44]

昼食.新島離陸(13時49分;右). [45]


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伊豆大島の東海上を通過.やはり今日はかすみが多い. [46]

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ベイブリッジを通過(左). [47] まもなく羽田空港にアプローチ(右). [48]

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おつかれさまでした. [49]

海上保安庁ヘリクルーの皆様,ありがとうございました.

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