現在の工業生産においては,製品に比較してはるかに大型の生産機械を使用している.ここで製品サイズに見合った必要最小限度の大きさにまで生産機械を小型化すれば,著しい省スペース・省資源・省エネルギを達成することができる.この「小さなものは小さな生産設備で」という考え方に基づき,産業技術総合研究所では超小型の工作機械およびマテリアルハンドリング機器から構成されるマイクロファクトリの概念を提唱している.マイクロ搬送アームは,マイクロファクトリにおいて小型部品の搬送および組立作業を行うための小型高速アームである.
アーム外観 (最大長 約100 mm)

| 挿入前 | 誤差吸収+接触力検出 |
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| エッチングによる切抜き+溝生成 | 折曲げ | 完成 |
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マイクロ搬送アームの開発に取組む以前は,米国 ユタ大学 John M. Hollerbach 教授のもとでSARCOS社製マスターアームを使用した仮想プロトタイピングの研究に従事していた.対向する永久磁石のギャップにホール素子を挿入した組合せは,マスターアームに限らずSARCOS製品の随所に使用されている位置センサにヒントを得たものである.
また本デバイスの開発にあたって,永久磁石のサンプルを幾つか手配した.それまでは磁石に対して従来のフェライト系磁石のイメージしか持っていなかったが,送られてきた最新のネオジウム-硼素系磁石は既成概念を根本から覆すほど強力なものであった.その時「これほど強力な磁石があるならば,これまで無かった面白いものを実現できるはずだ」と考えたのが負荷感応変速機開発の布石となった.
このように個々は全く異なる研究テーマであるが,仮想プロトタイピング → マイクロ搬送アーム用デバイス → 負荷感応変速機 という一連の流れが実は繋がっているのである.
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