
Salting-out
ナノとかマイクロレベルの微小世界を主に制御しているのは重力とか静電気力といいう力(ちから)のようです。特に後者が大きな作用を及ぼしているようであり、イオン同士が近づいたり反発したりするのはその現れでしょう。でも中性の微粒子はその影響を受けないのでしょうか? 水分子は(全体的には)中性ですが、極性を持っています。極性とはプラス極とマイナス極を全体のマスの中で分かれて持ったものとのイメージを抱いています。分子全体としてはプラスとマイナスが釣り合っていても極性分子は電場の中では作用を受け、また与える存在となります。この個性がベースとなって、水の中に電解質イオンが入り込むと周囲の水分子との間である種の構造形成を行おうとします。この力関係が作用している領域によそ者(非電解質:中性体)が入り込もうとすると構造体はそれを押し出そう(squeeze
out)とします。これがsalting-outのメカニズムのようです。押し出される対象の一つはガス分子でしょう。「お前はあっちに行け」 いずこの世界も同じなのかも知れませんが、そのお陰でナノバブルは安定化できるのかな、と考えています。 (2012/05/17)
学会
昨日、ナノバブルに関連した学会の立ち上げ総会がありました。医療を中心とした学会です。その場において当方は最初の学術会議の会長を仰せつかりました。出来れば避けたかったのですが、他に適任者もいそうに無かったので引き受けさせて頂きました。経験の無い大役ですが、何とか皆様のご協力を頂きながら会を成功に導ければ幸いです。他の学会と時期をダブらせないようにして期日等を決めたいと思います。また場所につきましては利便性の点で東京での開催をお願いすることになると思います。
半導体の論文がアクセプトされました。自身にとっては何年ぶりでしょうか? やはりこれが当方の本業だと改めて充実した思いを感じています。今年度は4つ出すつもりです。今、ネイティブチェックをお願いしているナノバブル関係の論文と、これもナノバブル関係ですがある生物への影響を明らかにした論文です。後者は物理的現象と生物との関係を非常に明確に示したデータがベースになっており、前者と併せて「ナノバブル」というものの本質の一端を開示する革新的なものと考えています。4つめは以前の論文の補填的なものとして水処理の基礎的なところを出したいと思っています。
それにしても半導体の論文は通って本当に良かった。科学的には「圧壊」という現象が日の目を見る機会になると考えていますが、微小気泡技術という点では大変に多くの人の思いを結実させた報告だと感じています。多数の先例のごとく世界からこの国にという流れとともに、本当の実力が問われる時代の幕開けを予感しています。
この技術は医と半導体に先導してもらうのが良い。当初描いた絵が実現しつつあるように思います。 (2012/05/14)
求む情報
自然災害の猛威を目の当たりにすることの多いこの頃ですが、そのための精神的打撃も小さくないように感じます。先の震災はつくばで暮らす我々にも大きな傷跡を残しました。当方も謎のめまいに暫く苦しめられたものです。その中でどうしても思い出せない記憶があります。それはゼータ電位の測定システムを誰に貸したのか、全く思い出せません。最初は貸したことさえ記憶に無く、何故に無くなったのかと探し回ったほどですが、そのうちにどなたかに渡している場面までは思い出しました。ただその人物が誰なのか。。時期的には震災の少し前だったようであり、何となく産総研の人物だったようにも思うのですが。。 ここに記載する内容でも無いのかも知れませんが、大切な装置ですのでどなたか心当たりがありましたらご連絡ください。よろしくお願い申し上げます。 (2012/05/08)
バブルエッセイを追加
久しくぶりになりますが、エッセイを記載しました。研究内容における電荷や発生装置についても近日中に完成させます。 (2012/05/07)
電荷を追加、修正
発生装置がまだ半端な状況ですが、その前にマイクロバブルの持つ電荷の部分を修正しています。項目としては2.3.3「マイクロバブルの表面電位特性」の部分です。こちらもまだ途中ですが、時間を見つけて追加修正を進めていきます。
(2012/04/27)
アットマインド方向転換
格闘はいろいろありましたがコロリと変えます。さて、論文ももうじき完成しますので古びたホームページを書き換えていきます。と言いつつ研究内容の紹介を何年ぶりかで見直していますが、我ながら良く書けていると感心しています。自画自賛かも知れませんがそこらの本よりは遙かに良いと思います。
さて、書き換えについては頭から順次という方針は取りません。気がついたところから書き足していく形にするつもりです。このホームページの目的はマイクロバブルやナノバブルというものを広く理解してもらうことでこの技術を産業や日常生活に役立てて頂くこと。日常生活の部分は産総研の所掌からは外れてしまうので具体的なことは記載しませんが基礎部分を把握できれば様々な応用を思いつかれるでしょう。また、産業技術の方は、曖昧さの延長線上に発展性を期待することは本意ではないので出来るだけ具体的に記載しようと思います。とは言え多くの共同研究相手の成果にも関連してきますので場所によっては分厚いオブラート(死語?)に包みます。模糊とした部分の展開は各人の創造性にお任せします。でも無駄な回り道は出来るだけされないように。。
書き換えた部分はこの独り言の中で明記していきますので、既に全体を読まれた方はその箇所のみご確認下さい。逐次に更新していきますので書籍にはない新鮮さを維持できると思います。なお、執筆中の書籍は学術的な基礎の部分に重きを置きたいと思っています。この点は自分自身まだまだ勉強しながらの取り組みとなりますが、様々な実用を考えている方はこのホームページで事足りるようにします(お金を使わなくても結構です)。技術を確立し、世に貢献し、儲かって頂ければと思います。
今回は2.2のマイクロバブル発生方法について修正しています。二相流旋回方式の部分です。まだ途中ですが、ご確認ください。 (2012/04/14)
論文
提出していた半導体洗浄の論文がマイナー修正で何とかアクセプトされそうです。もう一報、別の内容の論文もほぼ完成しました。書籍で頼まれたものがありますのでそれを記述しながらも今年度は精力的に論文を記載したいと思っています。書くべきテーマが多く溜まりすぎていますが、少し追加実験が必要です。基礎的な取り組みに集中したいと思っています。 (2012/04/13)
韓国
4月の後半に韓国の大学の方々がいらっしゃいます。海外の方からの来訪希望が増えており、基本的には受けていますが、今回はあまり目的がハッキリしていないですね。情報の取り扱いの難しい部分ではありますが、ナノについては触れない予定です。一方、いくつかの国からsurface
nanobubble(界面ナノバブル)からの応用展開としてアプローチしたいという希望が寄せられています。ナノバブルの研究は応用に関しては多くの仲間に恵まれたようにも思いますが、基礎研究の分野では良いパートナーに出会えていません。この分野は大変に息が長く幅広い取り組みが不可欠だと思っています。可能な限りの情報開示を通して思わぬところで花が開けばそれで良いのかも知れません。 (2012/04/09)
淡水魚と海水魚
やや古い話になりますが、ナノバブルを有名にした淡水魚と海水魚の共存。専門家の方からは「誤解を招きやすいのであまりその話はしない方が良いですよ」とアドバイスを頂くこともあります。紹介するにはコントロールをもっとよく取ってからとのこと。その点については特段の異存は無いのですが、当方は魚の専門でも無く、また現段階では技術的な展開も描けないので捨て置いています。ただ、生体への影響を調べるときに必ず帰着する原点だと思っています。いつの日か、メカニズムの解明に取りかかるときがくるのかも知れません。ところで千葉さんの話ですが、海水魚を塩分濃度1%の酸素ナノバブル水に入れても全く平気なのに、ナノバブルに馴染んだ海水魚を海水(塩分濃度3%)に戻すと死ぬそうです。海水魚を海水に戻すためには馴致が必要とは、何とも不思議な気がします。 (2012/04/04)
海水
マイクロバブルを使っている(はず)なのに効果が出ないということが往々にしてあると思います。原因はいろいろと考えられますが、作動のさせ方が悪くて実際にはマイクロバブルは発生していないという場合がかなり多いようです。特に海水域の場合に誤解を招きやすい特徴があります。写真は二相流旋回方式の装置において吸引口を開放して空気を取り込んだときのものです。強い白濁が認められます。水面はバシバシと上昇する気泡で活発化しているように見えます。でも実のところマイクロバブルの発生は少ないのが実状です。
この装置は非常に優れたものですので、開放状態でもある程度のマイクロバブルが発生していますが、他の装置の場合にはほとんどマイクロバブルは発生していないということにもなりかねません。二相流旋回方式の場合、吸気口は絞り込んでください。薄い白濁状態を作って利用されると結果は変わってくると思います。
(2012/03/26)

沸騰
水は100℃で沸騰するというのは争うべきもない事実。。でしょうか? 沸騰というのは見てくれの現象であり、物理的には大して重きを置く気にはなれません。でも現実世界では水における最も重要な現象の一つです。
実はコップの中の水から気相を完全に追い出すことができれば、100℃は特別な意味を失います。つまり水は沸騰しません。詳細はそのうちに述べるとして、下世話な話で恐縮ですがお風呂の中でおならをすると大変に強烈です。目の前(鼻の下)で泡が破裂するせいでしょう。では深海に潜っておならをするとどうなるか? 泡はいずれ海面で破裂するでしょうか? 多分、それはないでしょう。何故なら内部の気体は全部海水中に溶け込んでしまいますから。つまり海面に届くことなく消えます。
もしお風呂の中でマイクロバブルのおならをするとどうなるか? 量的に少々多くても、もんどり打つことはないと思います。
常識とはある条件下での現象に基づいているに過ぎず、条件の持つ意味に気がつかないととんでもない誤解を生じてしまいます。(2012/03/21)
稚貝
あの日から1年。津波の被害に比べれば微々たるものかも知れませんが、やはり先の震災は茨城県にも大きな被害をもたらしました。当方自身は幸いなことに測定器の軽微な損傷ですんだのですが、津波で完全に破壊された宮城のREO研究所ほどではないにしても、茨城県の鹿島にある栽培漁業センターの被害は甚大なものでした。
漁業というと自然の恵みと思ってしまいますが、我が国では実際のところ人の手による部分も大変に大きいのが実情のようです。茨城県の太平洋岸はハマグリなどの産地です。実はこの貝類、栽培漁業という考えの元に卵から大切に育てられ、種類によって半年から2年経った段階で茨城の浜に放流されます。
ところが病原菌などの影響で多くの稚貝が放流まで持ちこたえずに死んでしまいます。何とかこの問題を打破したいと、震災の1年ほど前からマイクロバブルをつかった取り組みを開始していました。まだまだ試行錯誤の段階でしたが、貝を元気にすることで病原菌などに対する抵抗力を養うとの考えの下、少しずつ明るい兆しも見え始めていました。
その漁業センター。津波の被害は受けなかったのですが、大変にひどい液状化に見舞われてしまい設備は壊滅に近い状況となりました。まだまだ復興道半ばと聞いています。茨城の、そして日本の水産業を守るためにも何とか頑張ってもらいたいものです。(2012/03/13)
不気味?
先日ある小さな会社の社長さんから「あなたは不気味」と言われました。社長がそう思っているというわけではなく、一般の(泡に関連した)研究者から見たときにそう思われるだろうと。。だから理解されない、否、理解しようとしないのだと。。 ある意味で当方は愉快でした。だから自分はここにいるのだ、と思えたので。。
マイクロバブルを最初に目にしたとき、紙に丸い輪を描きました。これを眺めて思ったことはこれは水の中で間違いなく消える(圧壊する)ということ。ヘンリーの法則と、ヤングラプラスの法則、そして緩やかな上昇、これを考えると水中で消えることは必然以外の何物でもないこと。ところがこの記述を最初に見たときに社長さんは「なんと非常識な。。」と思われたとか。。
ひとつだけ言えることは自身の「常識」がどうであろうが、自然科学は人の「思い」とは別の世界にあると言うこと。一部の人が常識に頑なになったところで、いずれ事実は水が流れ下るように社会にも広がると言うこと。そして研究とは、常識を捨て去り、誰よりも早く必然を予測して、それを現実のものにしていくこと。
(2012/03/09)
生物
マイクロは主に化学物質がその対象となりますが、ナノバブルは生物の世界に主な活躍の場が広がっています。それだけに結果を明確に示していくのは、なかなか大変な作業です。特にポジティブな影響は長い時間の後に効果を現すのでコントロールの条件設定と併せて多くの工夫が不可欠です。
ところが生物にとってネガティブな影響は割と確認が容易でした。これは一般的なことでなく「たまたまそうだった」のかも知れませんが。。
悪戯っ子な海のある生物を少しだけ黙らせる、ナノの優しい効果で現実可能な技術です。これが次の論文のテーマと考えています。(2012/03/05)
海外
毎日のようにいろんな方の訪問を受け、また外で話す機会に質問を頂くことも多いのですが、海外はどうなっているのかというのは多くの方の関心事のようです。
当方は基本的に研究室に閉じこもっている身ですからテレパシーでも使えない限りその事情を正確に把握できるわけではありませんが、それでもメールなどを介して多くの外国の方から問い合わせも頂いています。その数はかなり増えており、何より熱心さが非常に伝わってきます。その範囲はどの地域というわけではなく、世界中のいろんな国の方から問い合わせを頂きます。
ただ当方の立場として、また何より時間的、言語的制約もあり、海外の企業の方からの問い合わせに関してはほとんど返事をしていません。一方、研究者の方からの問い合わせについては何とか対処したいと思っています。この技術が海外でも正当に評価されてその地で花開くためには、やはり土台となる方々の理解が重要と思っています。
個人的なことにもなりますが、ここ数年記載しなかった論文を多くだそうと決めました。すべて海外紙を考えています。ちなみに1報はつい先日投稿し、またもう一つもほぼ出来上がりました。年に3報位は書こうと思っています。もちろん数はさほど問題ではなく、やはりインパクトのある報告を海外に発信していこうと思っています。研究者にとりまして論文はせめてもの個人の財産にもなりますので。。(2012/3/1)
水
昨年の夏以降に色んなことがあり、情報開示は慎んで研究開発をさらに充実させようと思っています。でも差し障りのない範囲で状況をお伝えしようと思います。さて、お陰様で多くの分野で大きな成果が上がっていますが、常々実感するのは水の凄さです。
古来人類は水をベースとして生を営んできたことは疑いのない事実でしょう。科学技術の進展は他の物質の機能を引き出し現代社会の実現に貢献してきました。その一方で水の不思議さは研究者の関心を集めながらも、その機能は次第に軽んじられてきたと思います。
微小泡を手にして思うことは、水の凄さです。技術の場においては今までタブー視されていたことが水を使うことで合理的な作業になるというものも見えてきました。単なる技術革新ではなく、もっと次元の異なる変化を招くのでは、という予感がします。
10年以上前にマイクロバブルを知ったとき漠然とした意識として持ち上がった「パラダイムシフト」。当時は絵空事であったものが多くの共同研究の方々のお陰で実体として見えてきたように感じています。貢献していただいた方々への恩返しが重要な課題です。
(とは言え水以外にも関心が向いています) (2012/02/16)
微小泡
泡を水中の気体の塊としてしか見られない人は「泡に何ができる」としか言いません。以前は100%の人がそうでした。でも微小泡を知り、その認識が改められつつあります。大切なのは「気液界面」であり、界面があることによるイオンの効果です。その思いからいろんな試みを進めてきました。その一つが農業での応用。植物の育成に有効なミネラルの働きを強めるカプセルをイメージしました。その他いろんな種を撒きましょう。内にも外にも。。 (2012/02/13)
洗浄について。。
泡があることによる洗浄効果。これが今取り組もうとしているポイントの一つです。どうもこの場合の泡とは「マイクロ」ではないように感じています。また一つ奥深い扉を開ける取り組みとなりそうです。 (2012/02/09)
ナノバブルの最小径について。。
ナノバブルの最小サイズは10nm程度のよう。気泡とはガス体であり、ガス体とは気相を呈する領域。つまりは分子が自由に飛び回れる空間。この条件を考えると、当然のことながら最小の気泡粒径も存在。直径数nmというのは少々厳しいのではなかろうか。。
今ひとつの疑問は、表面張力効果の限界について。ヤング則によると内部気圧は気泡径に反比例して増加する。でもあまりにも高いと気体分子同士が自由度を失い液相に相変化するはず。10nmをベースにまともに計算すると300気圧。。1nmならば3000気圧。 温度との関係にも依存するが相変化がどこかで起こりそうな状況。もっともこのレベルの気泡径になるとヤング則の限界も出てきそうに思われる。
(2011/12/16)
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