鉱山を見学しようのぺーじ
日本の鉱山でいま実際に鉱石を採っている所は数えるほどしかありませんが,閉山後に観光施設として整備され坑内を見学できるところが意外と多くあります.その中で実際に見た所を紹介します(ちょっと専門に走ってるとこもあるけど).鉱山の見学料は一般にあまり安くはありませんが,その分見応えがあったり,体験施設が充実していたりするので,旅行のついでなどがあったらぜひ行ってみましょう.行った順に追加します.
おすすめ度:☆5個が最高得点.(最初に尾去沢を見てしまったので,点が辛くなったかもしれない.)
注1:実況の年次に注意.古いのもあるので現在は何か違っているかもしれません.最新情報歓迎.
注2:鉱山の売店で売っている石はたいてい外国産なので,その鉱山で取れたものが欲しい場合はお店の人に聞きましょう.
所在地:秋田県鹿角市
おすすめ度:☆☆☆☆☆
併設:売店,砂金取り体験,鉱山歴史館(未見),アトラクション
鉱床:鉱脈鉱床/銅・金・銀・鉛・亜鉛
歴史:708発見?-1978閉山
実況(1986, 1996):坑道はかなり長くて見ごたえがある.入り口でマグシーバーを貸してくれるので説明は万全.たいていの観光鉱山はそうだがトロッコとか立坑エレベーターとかの設備が一部残してあって,人形が作業を実演してくれる.シュリンケージ採掘跡というのはほとんど板状の鉱脈を掘った跡の穴だが,ここでは特に幅も広いし通路の上下方向にもとんでもなく深い.出口近くの虹色に輝く金属鉱石の壁もスゴイです.地下だから温度が一定であることを利用してワインを貯蔵・熟成しているのも見られる.見学用とは別の坑道を利用したアトラクション「プルトン号」がある.乗り物に乗って坑道の中をトコトコと移動しながら坑内の作り物を見るというものだが,ロゴが「PULTON」だった(それはPLUTONでわ?).距離はわりと長いが,作り物の出来はやはりディズニーランドには及ばない.
所在地:岩手県久慈市
おすすめ度:☆☆☆(小さいけど珍しいという点で)
併設:売店
鉱床:堆積鉱床/琥珀
実況(2000):琥珀の鉱床を公開しているのは世界でここだけとか.公開されている坑道はすごく短い.琥珀はノジュール状で堆積岩の中に含まれている.露出部を透明なプラスチック板で囲ってあるのだが,それがずいぶん汚れていて,よく見えなかった.博物館は琥珀製品が中心だが結構見応えがあるから,博物館のついでに寄ろう.坑道だけの見学は無料.売店では琥珀のアクセサリーをいろいろ売っているが,琥珀とパーツを選んでその場で作ってもらうのが意外と安くてお買い得かも.
所在地:岩手県九戸郡野田村 <村のマスコットが謎なのでリンクってみました
おすすめ度:☆☆☆
併設:売店
鉱床:交代鉱床/マンガン
歴史:1895発見-1984閉山(マリンローズのみ稼行中)
実況(2000):パークといっても実態は観光坑道で,距離はかなり長く尾去沢に匹敵する.もとはマンガン鉱山として稼行していたが,現在では装飾用のロードナイト(商品名マリンローズ)だけを採取しているという.ロードナイトの露出する坑壁を磨いた地点は,石英脈を主とする金山等と違ってピンク色なところが珍しく,一見の価値あり.なんかカンケーない岩石標本とか輸入宝石・原石の展示が多く,しかもカタカナの間違い多し.仏像などのみょーな展示物はあまりない.売店は小さい.マリンローズは装飾品に加工するとちょっと地味かな.
所在地:宮城県栗原郡鶯沢町
おすすめ度:☆☆☆(鉱山資料館は☆☆☆☆)
併設:売店,砂金取り体験(休日のみ),アトラクション,近所に鉱山資料館と細倉美石館(岩石・鉱物売店)
鉱床:鉱脈鉱床/鉛・亜鉛・銀
歴史:9世紀発見?-1987閉山
実況(1995, 2002):坑道の前半は鉱山の説明で,マグシーバーはないがあちこちに立っている箱のボタンを押すと簡単な説明をしてくれる.細脈や脈状変質帯はわりと多く見られるがちょっと暗いのが難点か.後半は鉱山とは無関係な展示で,宇宙空間を通って下りたあとホソキュリアン(なんぢゃそれ〜)が生まれるらしい.気色わる〜.次はいきなり鉱山神社,その次は砂金採りコーナー(休日のみ),それから何やらインド系の神様がいたり,恐竜の骨があったり,エジプトの壁画があったり,といろいろ脈絡のない展示が続いて,わりと唐突に外に出る.で結局,ホソキュリアンがどーなったのかは不明なままである.滑り台とかドーム(中身は不明)とか付属施設があるようだがどれも休日のみ.マインパークから車で2,3分のところに細倉美石館という店があり,岩石・鉱物を専門に扱っている.やはり外国産の鉱物が多く,見栄えは良いがそれなりに高い.エスティングのハンマーを売ってたのは笑ったけどね.妙に形の良い水晶はどうもカットしてあるようだ.染めたメノウもあるし.同じくマインパークから車で2,3分のところに鉱山資料館があり,鉱石標本や採鉱道具などが多数展示されている.ここはご当地産の鉱物標本が非常に多く見応えがある.しかし鉱床の説明に「浅熱水裂こ充填型鉱床」と書いてある(正しくは「裂か」=割目)のが2002年にまだ直っていない.わざわざひらがなで書いて間違えるかぁ.以前はこの資料館に標本売店が併設されていたが,美石館に統合されたらしい.資料館の向かい側は鉱山操業当時のままに煙突などの設備やハゲ山が残っていて,鉱山町気分を味わえる.
◆高玉金山
所在地:福島県郡山市
おすすめ度:☆☆
併設:売店
鉱床:鉱脈鉱床/金・銀
歴史:17世紀-1976閉山
実況(1998):高玉鉱山は鶯・本山・青木葉の3鉱床群からなり,現在観光坑道として公開されているのは青木葉鉱床である.西側から行くとわかりにくいので注意.施設まで入ると金色の鳳凰のばかでかい看板が立っている.これを国道に出しときゃいいのに.出張中の悪天の日に行ったので,案の定お客はいなかった.お客1人に案内のオヤジ2人である.トロッコ列車にちょっとだけ乗って入る.案内オヤジもヒマなのでいろいろ話をする.「仕事で来てる」と言うと,「何の仕事だ?」と訊くので,「地質調査」と言ったら,「そんならこのへんに温泉は出るか?」 おいおい!鉱山の案内してるくせに地質と言えば温泉かい.そりゃ安達太良山の麓だから出る確率は高いけどさ.鉱脈はあまり残っていない.
所在地:新潟県相川町
おすすめ度:☆☆☆☆
併設:資料館,売店
鉱床:鉱脈鉱床/金・銀
歴史:1601発見-1989閉山
実況(2002):観光坑道はあまり長くないが,人形はダントツの出来で,しっかり動いている(故障して動かない観光鉱山もある).湧水の汲み上げ設備,換気のための送風設備,照明,支保工や鉱石運搬のほか2日で1本つぶすというタガネの補充などの作業分担が具体的によくわかる.坑道開きの儀式など非常に珍しい.但し鉱脈はほとんど見られず,狸掘り跡に細い白色脈が1本あるだけ.資料館も人形が多くこれもよくできている.鉱石の展示は少ないが,鉱脈の立体模型は必見.板状の脈が枝分かれしたり断層でずれたりしている様子がとてもよくわかる.売店でも鉱物標本などはあまり扱っていないが,ここの鉱石で作ったというペンダントやタイピンなどのアクセサリを売っているのが珍しい.すぐそばに「道遊(どーゆー)の割戸」という山が真っ二つに割れたような所があるが,これは垂直な鉱脈を露天掘りした跡だそーで一見の価値あり.ちなみに砂金採り体験ができるのは佐渡にもう一つある金山(砂金堆積鉱床)西三川ゴールドパークだそーです.
所在地:茨城県久慈郡大子町
おすすめ度:☆
併設:売店,砂金取り体験
鉱床:鉱脈鉱床?/金
歴史:15世紀頃発見?-休山中
実況(2000):茶屋からオヤジがワゴン車で案内してくれる.坑道は短くて鉱脈もとってもショボい.品位は佐渡並みだというが量はどうだろうか.再開の見込みありとのことで選鉱設備がそのまま残っており,こちらの方が面白い.茶屋に戻ると砂金取り体験ができるが,これに使う砂は鉱石を粉砕したもので,天然の砂金ではない(まあたいていそうだろう).坑内から湧出するミネラルウォーター「金山水」を売っているが,これは日本産ではほとんど唯一の中硬水というCa含有量の多いものだそーだ.選鉱設備を中心に見学して水を買おう.
所在地:大分県日田郡中津江村 そう!あの!中津江村です.カメカメ.
おすすめ度:☆☆☆☆
併設:資料館,売店,砂金取り体験,民芸体験施設
鉱床:鉱脈鉱床/金・銀
歴史:1894発見-1970閉山
実況(2000,2002):2000年にはこのあと見た串木野の印象が強かったので,鯛生なんざ記憶から吹っ飛んでしまった.それで2002年に星野へ行って雨に降られた時にもう一度見に行った.入り口でマグシーバーを貸してくれるので説明は万全.串木野と比べなければかなりのもので,坑道も長いし,細脈は結構たくさん見られる.たまには厚い脈があって母岩の破片も入っている.脈石は石英が主のようだが方解石脈もあり,資料館には方解石の良いサンプルがある.坑内作業も人形がひととおりやっている.名前の由来にちなんだ純金の鯛はちょっと笑える.そのほか鯛生金山を舞台とした松本清張の「西海道談綺」のストーリーを紹介するコーナーが坑内にある.鯛生金山は明治時代に発見されたことになっているが,実は江戸時代から隠し金山で・・・という設定はアリか?
◆ゴールドパーク串木野 2003年9月末で閉鎖だそーですので注意。(2003.9.1記)
所在地:鹿児島県串木野市
おすすめ度:☆☆☆☆☆
併設:売店,砂金取り体験
鉱床:鉱脈鉱床/金・銀
歴史:1660頃発見-現役
実況(2000):トロッコ列車に乗って入るが,その距離が比較的長い.下りてからの見学コースも長いが,それ以上にここの石英・方解石脈はスゴイ! 品位の低い(金の含有量が少ない)部分が残してあるのだろうと思うが,その大きさが半端じゃないんである.壁も天井も真っ白.幅10m以上の脈もまれではなく,そのくらい厚いものは母岩のブロックを含んでいて破砕帯を充填した痕跡があるのが普通.縞状構造の見られるところも多い.石英と方解石が顕微鏡レベルでよく混ざっていると(事前に)聞いていたが,けっこう肉眼で識別できる大きさの結晶もある.ちょっと観察すれば,少なくとも2回の熱水活動イベントがあったことがわかるから探してみよう.熱水系をやってる人なら半日楽しく過ごせるはずである.帰りのトロッコ乗り場で脈の塊を売っていたので買おうかなと思ったが高いので考えているうちに,他に客がいなかったせいかさっさと追ん出されてしまった.この地域では地表露頭はあまり多くないそうだが,ゴールドパーク正面入口の真向かいの露頭に幅2〜3cmの白色脈がある.