地熱活動を見学できる場所のうち自分で見た所を紹介します。たいてい観光地なので気軽に見物してみましょう。ふつーの温泉も地熱活動だけどキリがないので省略しました。そのかわり火山が少し入ってます。
注:実況の年次に注意。古いのもあるので現在は何か違っているかもしれません。最新情報歓迎。
所在地:北海道釧路支庁川上郡弟子屈町・屈斜路湖そば
料金:無料
実況(1988):白色変質帯のだだっ広い平地(駐車場)から山になるところで盛大に噴気している。ほとんど車で乗り付けられるという噴気地である。噴気量は多く,昇華硫黄もついている。この噴気にさわってみたら熱かったという素朴な人が本省にいた(たぶん今でもいるでしょう)。
近所:屈斜路湖,川湯温泉,和琴温泉,弟子屈温泉,摩周湖
(写真1992.8.21)
所在地:北海道登別市・登別温泉そば
料金:無料
実況(1992):かなり広い白色変質帯。噴気も盛んで温泉・昇華硫黄も多いので見応えがある。木道の見学路が整備されている。温泉街は地獄だからって鬼が売り物で,でっかい鬼のハリボテと記念写真を撮れる。
近所:登別温泉,倶多楽湖
(写真2003.5.14)
所在地:青森県むつ市
料金:500円(拝観料)
実況(2003):恐山山頂カルデラの中.寺の境内なので,拝観料が必要.しかし中は寺とは思えない一面の白色変質帯で,足元に注意.あちこちに温泉湧出や噴気がみられるが,小石が積み上がっているのはほとんど人間が積んだものと思われる.あちこちに風車とか卒塔婆とかあるしね.水(湯)が湧出したり流れたりしている場所には淡黄色〜赤色の沈殿物が多く見られる.この中に有名な「現在できつつある金鉱床」がある.かなり広いので見学時間は1時間くらいみておこう(写真集を全部撮るのに1時間半以上かかった).有名な「イタコの口寄せ」は夏と秋に行われ,その日は混雑するらしい.
近所:薬研温泉
(写真1994.8.30)
所在地:岩手県雫石町・滝ノ上温泉
料金:無料
実況(1994):温泉宿の対岸は緩斜面から噴気が上がっている。すぐ下流側が滝になっているのが鳥越の滝である。滝がかかっているのは鳥越の滝デイサイトと呼ばれる貫入岩体(一部噴出したという説も)で,この岩体の割目からも噴気が上がっている。滝壺に下りるとよく見えるが,下りる道は一部ロープを伝わなければいけないほど悪いので,覚悟して行くこと。
近所:葛根田地熱発電所,葛根田の大岩屋,岩手山,小岩井農場
(写真1988.8.22)
所在地:岩手県一関市(秋田県東成瀬村との境界)
料金:無料
実況(1986-90):栗駒山の北中腹にある。須川温泉付近は道路が良いのだが,その前後は狭い山道で,たいていどこかで崖崩れがあって工事中で片側通行になっていたりするので注意。須川温泉の源泉域に遊歩道がついており,白濁した湯が豊富に沸いているほか,少量の噴気がある。横道を入って行くと白色変質帯の崖があり,黄色い昇華硫黄が転がっていて,昔硫黄鉱山があったのはこのへんらしい。遊歩道は栗駒山の登山道とつながっていて,須川温泉は栗駒山登山の基地でもある。
近所:栗駒山,小安大噴湯
(写真1986.7.14)
所在地:秋田県鹿角市・後生掛温泉
料金:無料
実況(1986, 1996):かなり大規模な地熱活動地で,見学路も説明板もよく整備されているが,活動域が見学路に移動して来て一部通行止めになる場合があるので注意。地表活動域の移動が早いことがよくわかる。現象は温泉・マッドポットが主で,大きなマッドポットがたくさんとかなり広い大湯沼があり,さらに泥火山があることが特筆される。泥火山の「噴火」目撃談によると,ほとんど真上に吹き上がったので,横から見ている分にはあまり危険ではなかったという(確かにそうでなければ一箇所に高く積もらないよね)。一度できてしまったら終わりかと思うとそうではなくて,泥火山の頂上火口(?)でぶつぶついっていることもある。泥の色は一般に黒っぽく(硫化物が多いらしい),噴出はかなり盛んでどのマッドポットも見応えがある。写真中央の説明板の左側に,半分泥火山のような半分マッドポットのようなのがあるのがわかるでしょーか? 見学時間は1時間くらいみておこう。
近所:澄川地熱発電所,大沼地熱発電所,澄川温泉,玉川温泉・自然研究路,マインランド尾去沢,八幡平火山
(写真1986.7.16)
所在地:秋田県鹿角市・澄川温泉
料金:無料
実況(1986):澄川温泉の裏手に,意外と優勢な噴気地とマッドポットがある。見学路や説明板はなく,足場はかなり悪い。マッドポットが地表に現れずに地面の下に隠れていることがあり(ガミラス状態),踏み抜くとやけどするので要注意。某氏は踏み抜いたが,たまたま両側に人がいてすぐ引っ張り上げてもらえたので無事だった。あっもしかして1997年の水蒸気爆発で無くなったかな?
近所:澄川地熱発電所,大沼地熱発電所,後生掛温泉・自然研究路,玉川温泉・自然研究路,マインランド尾去沢,八幡平火山
(写真1986.7.16)
所在地:秋田県仙北市・玉川温泉
料金:無料
実況(1986, 1996):玉川温泉に隣接。見学路はあるが足場はあまり良くなく,説明板もとくにない。見学路の外にはゴザなどを敷いて温熱療法(?)をしている人が多い。全体が白色変質帯で,噴気と昇華硫黄もあるが,ここの特徴は湯量の多さ。噴水のように涌いた湯が川になって流れている。青い湯(何か溶存イオンの色だろう)と黄白色の沈殿物(硫黄)の色のコントラストも良い。沈殿物として北投石が出るので有名だが,探してもわからんから無駄な努力はやめておこう。噴気量も多いので,風のない日などはガスにまかれないよう注意。近くの叫沢でも噴気があり,山菜取りや登山の人が有毒ガスで死んだことがある。
近所:澄川地熱発電所,大沼地熱発電所,後生掛温泉・自然研究路,澄川温泉,マインランド尾去沢,秋田焼山火山
(写真1990.8.31)
所在地:秋田県湯沢市・小安温泉
料金:無料
実況(1986-2001):ここでは皆瀬川が比高数十mに及ぶ絶壁をもつ峡谷となっていて,川岸へは長い階段を降りると遊歩道となっている。このほとんど垂直な絶壁は鮮新世のカルデラ湖堆積物である三途川層の成層した(凝灰質?)泥岩(熱水変質しているのでよくわからん)からなり,ほぼ水平な層理面から,ほとんど沸騰している熱湯が水平に噴出しているという珍しい地熱現象である。噴出量はかなり多く一見の価値がある。蒸気も多く遊歩道で湯気に巻かれてホワイトアウトしたり,熱湯が遊歩道まで届いている箇所もあるので注意。帰りも階段なので頑張りましょう。なお,大雨の後など川が増水すると遊歩道が水没し,立入禁止になる。そーゆー時は大噴湯のほぼ真上に架かっている橋から見下ろすと良い(高所恐怖症の人はやめておこう)。少し上流の不動滝付近では,三途川層と皆瀬川層に石英脈の入りまくった「熱水系の化石」が見られるので,ついでにどうぞ。
近所:上の岱地熱発電所,小安温泉,川原毛温泉・地獄,泥湯温泉
(写真2003.10.17)
所在地:秋田県湯沢市・泥湯温泉そば
料金:無料
実況(1986-2003):一面の白色変質帯のところどころから噴気が上がっているが,噴気量は昔より減ったような気がする。噴気孔の周囲には昇華硫黄がついていることが多い。昔は硫黄鉱山があった。一応見学路があるが,足場はあまり良くないので注意(ハイヒールはやめといたほうがいーです)。ここの谷底から湧出した温泉がすぐ下で湯滝となり,その滝壺が露天風呂になっている。渇水期にはかなり熱いらしい。脱衣場等の施設は1986年にはなかったがその後未見。駐車場とトイレは完備された。
(写真1988.8.26)
所在地:秋田県湯沢市秋の宮
料金:無料
実況(1988, 2002):入り口がちょっとわかりにくい。秋の宮温泉から「天然記念物」の小さな看板に従って横道に入るとかなり狭く,車でのすれ違いは難しいので注意.細い舗装道路をしばらく行くと「天然記念物」のわりと大きな案内板が出ているのでここはすぐわかる.湯ノ又温泉側から入る方が道路はやや広いが,看板が裏になるので見落とす可能性があり要注意.熱水利用施設の看板を目印にすると良い.そこから未舗装の狭い林道となりかなり路面が悪いのでここも注意.往路と復路が違う一方通行の「いろは坂方式」である。自信のない人は案内板斜め向かいのスペースに車を停めて徒歩で入ろう(大した距離ではない).現象は温泉・噴気・珪質沈殿物だがあまり活発ではなく,地形図に記載されている噴泉塔は現在は存在しないらしい。珪質シンターの破片が多数落ちていて,その中には葉っぱの型のついたものや,球状のシリカの集合物がある。球状のはこの辺でブリコ石(ブリコとはハタハタの卵)と呼ばれるもので,天然記念物なので採るべからず。たいてい白色だが,林道沿いの露頭になんか赤くて細かいのもあってメンタイコ石だった。
(写真1991.8.2)
所在地:宮城県大崎市・鬼首温泉
料金:400円くらいだったか?
実況(1991):場内に間欠泉は2個あり,いずれも約15〜20分毎。高さは結構あるが噴出量はそれほどでなく,別府の竜巻地獄に比べるとちょっと見劣り。それにしては見物料が高いような気もする。
近所:鬼首地熱発電所,鬼首温泉郷,鳴子温泉郷
(写真2008.10.22)
所在地:神奈川県箱根町
料金:無料
実況(1987,2008):首都圏で火山や地熱活動の見学・観光といったらまずここ,というくらい基本中の基本。見学路がよく整備されていて説明板も充実しているが,説明がちょっと古いかもしれない。噴気の音がかなり大きい。すぐそばに大涌谷自然科学館があったが,財政難のため2003年に閉館された.温泉で茹でた黒玉子が名物.
近所:芦ノ湖,温泉多数
所在地:富山県立山町室堂
料金:無料
実況:立山黒部アルペンルートのハイライトのひとつ。室堂ターミナルから遊歩道(というよりほとんどハイキングコース)を歩く。かなり高い噴気塔(?)が複数あるのでびっくらこく。湧出する温泉は,たしか強酸性とか何かの理由でそのまま浴用にはされず,湧出地点でコイル状の細いパイプを通る清水に熱交換しているのが見られる。
近所:立山,黒部湖・黒四ダム
所在地:大分県別府市。海地獄〜鬼山地獄は鉄輪地区,血の池地獄と竜巻地獄は北部,坊主地獄は別府インター寄り。
料金:1カ所400円,海地獄〜竜巻地獄8カ所割引券2000円。
海地獄(1982, 1990, 2000):地獄めぐりの中では最大の湯沼で,見事な青色。タマゴを茹でて売っているが,この温度では温泉玉子ではなく普通のユデタマゴになるであろう(未調査)。湯沼の回りを一周でき,間近に見る熱水噴出口は迫力。敷地内にはミニ血の池地獄もある。土産売り場も地獄めぐり内で最大規模。
海地獄(写真2000.10.28)
山地獄(1982, 2000):山積みになった(人間が積んだようにも見えるが)泥の隙間から盛んに蒸気が上がっている。昔見た時は大したことないと思ったが,2000年には噴気量も勢いも増えていたような気がして,意外と見応えあり。
かまど地獄(1982, 2000):かまど自体は大したことない噴気だが,狭い敷地内に色も粘度も様々の池が共存する様子は一見の価値あり。個々のリザーバーが小さいことがよくわかる。昔,直径1mくらいの赤いマッドポットと灰色のマッドポットが隣接して共存していたのは見ものだったが,2000年までにこれが混ざってしまったらしく薄紅色の1個のマッドポットになっていた。
白池地獄(1982, 2000):文字通り白濁した湯沼。やや青色がかっていて美しい。
金竜地獄(1982, 2000):噴気自体は大したことはなく,竜の作り物と仏像が売り。
鬼山地獄(1982, 2000):噴気自体は大したことはなく,ワニをたくさん飼っているのが売り。(ワニ山地獄?)
血の池地獄(1982, 2000):よく知られているとおり赤い泥の沈殿した湯沼。一周はできない。この赤色が昔より薄くなった気がするという指摘を受けて鉱物分析をしたところ,本当に赤い鉱物(赤鉄鉱)が減って黄色い鉱物(鉄明礬石)が増えていたという研究結果が1996年の地熱学会で発表された。
竜巻地獄(1982, 2000):血の池地獄の隣の間欠泉。約30分毎。噴出量も高さもかなりあってそのままでは危険なため,鉄板の天井がついていて,本当の噴出高はわからないが,迫力は相当なものである。待ち時間が長い時は豆腐アイスを食うと良い。
坊主地獄(1982, 1990):他の地獄とは離れているので地獄めぐり割引券に入っていない。敷地内のあちこちにマッドポットがあるが,かまど地獄と違ってどれも同じような淡褐色〜灰色である。雨上がりには表面に水がたまって坊主が見られないので注意。
坊主地獄(写真1990.12.15)
近所:杉乃井地熱発電所,明礬温泉ほか温泉多数,鶴見岳,高崎山(猿),マリーンパレス(ラッコの芸必見)
(写真1990.12.15)
所在地:大分県別府市
料金:100円くらい?(忘れた)
実況(1990):別府市街からちょっと山側へ上って高速道路と同じくらいの高さのところ。沈殿物を採取する藁葺きの「湯の花小屋」がいくつも建っていて,その間に水っぽいマッドポットが多数。色は黄土色。
近所:杉乃井地熱発電所,別府地獄めぐり,温泉多数,鶴見岳,高崎山(猿),マリーンパレス(ラッコの芸必見)
(写真1990.12.12)
所在地:大分県九重町
料金:無料
実況(1990):八丁原地熱発電所の隣。小松池断層が谷地形として現れたところが噴気帯となっている。噴気量はかなり多く,小規模な噴湯やマッドポットもいくつかある。木道の見学路はあるが,説明板はない。
(写真1991.11.6)
所在地:熊本県南小国町・黒川温泉そば
料金:無料
実況(1991):冷たいので地熱活動と言えるかどうか疑問だが,ほぼ地下水温の水とガスがさかんに噴出している。ガスは無臭なのでたぶんCO2。
近所:九重山,温泉多数
(写真1990.12.13)
所在地:熊本県小国町岳の湯
料金:無料
実況(1990):井戸のような浅い穴を掘ったところからさかんに噴気していて,料理などに利用されている。以前,地熱の紹介ビデオを作った時には,地元のおばちゃんが蒸気利用の例としてお赤飯を蒸してくれた。周辺では畑の普通の土からも蒸気が上がっていて,そのすぐそばに菜っ葉が植わっていたりするのが不思議。ゆで菜っ葉にならないんだろーか。
近所:岳の湯地熱発電所,はげの湯
所在地:鹿児島県指宿市
料金:無料(市営砂むし温泉は800円)
実況:海岸ではほとんど地表直下に湯脈があるらしく,砂浜の全面から湯気が立ちのぼっているのが特異。というわけでほんのちょっともぐればいいのが砂むし風呂であるが,はっきし言って熱い。15分たったら掘り出してもらえる筈だったが,熱さに耐えかねて自力で脱出したらちょうど15分だった。が,掘りに来てくれる気配はなかった。
近所:山川地熱発電所,池田湖,開聞岳