DACの種類

産総研
研究者 山脇浩 > ダイヤモンドアンビル・セル(DAC) > DACの種類

赤外測定用ダイヤモンドアンビル・セル
Raman測定、粉末X線回折測定用ダイヤモンドアンビル・セル
ガス圧駆動ダイヤモンドアンビル・セル
くさび駆動型ダイヤモンドアンビル・セル


赤外測定用ダイヤモンドアンビル・セル


小型DAC

(山脇 撮影)


小型DAC

赤外吸収スペクトル測定用のDACです。 直径30mm, 長さ30mmの小型ですが、 今までに、最高で140 GPaの圧力を出したことがあります。
開口角が両側とも約50度開いているので、可視透過スペクトルの測定にも使えます。



Raman測定、粉末X線回折測定用ダイヤモンドアンビル・セル


無機材研型DAC

(山脇 撮影)


無機材研型と呼ばれるダイヤモンドアンビル・セルで、 Raman散乱測定や、粉末X線回折測定に用います。
より安定して高い圧力を発生させることができ、専用の加圧ギアボックスを 使用することで、発生圧力のコントロールも容易です。

粉末X線回折用に受皿にB4Cを使用できるように した上ぶたも作りました。



ガス圧駆動ダイヤモンドアンビル・セル

ガス圧駆動DAC1

(山脇 撮影)



メンブレムをヘリウムガスで膨らませることで加圧する方式で、 リモートで圧力をコントロールできます。
クライオスタット中での圧力発生が行なえるので、今後 低温・高圧実験用と して幅広く普及することが予想されるセルです。
開口角も両側とも広く、低温での赤外、可視吸収、粉末X線回折 あるいは 単結晶X線回折までも行なえる可能性があります。もちろんRaman散乱測定、 電気伝導度測定等もO.K.
室温は無論、高温での高圧実験にも良いかもしれません。

Diacell社のものは、開口角が両側とも90度もあいています。 特製のBe受皿を使って100 GPa以上の圧力発生も可能とのことです。
(上の写真はDiacell社のステンレス製のもので、赤外測定用に 開口角50度の受皿を使用したもの。)

ガス圧駆動DAC2

(山脇 撮影)



上の写真はCuBe合金製のものです。(メンブレムは、 写真では はずしてあります。)粉末X線回折用に受皿にB4Cを 使用しています。写真のものは開口角70度の台座で B4C受皿を支えていますが、セル自体は開口角が90度開いて いるので、台座を替えれば2 theta = 45度の測定も可能です。


くさび駆動型ダイヤモンドアンビル・セル

くさび駆動型DAC

(山脇 撮影)




くさびを進めて、下側のアンビルを押し上げることで加圧する方式で、 小型のギア・ボックスで加圧できます。
20 GPaぐらいまでの比較的低い圧力でのRaman散乱測定や、粉末X線回折測定に 用います。
発生圧力は低いですが、手軽にギア・ボックスごと持ち運べるので、 よその研究室で実験するときには便利かも。普通の実体顕微鏡の透過照明でも 試料部を観察しながら加圧することもできます。