2004年釧路沖地震の断層モデル(序報)

謝辞:震源過程を推定するにあたっては、(独) 防災科学技術研究所のK-Net、Kik-Netで収録された強震記録、また、気象庁から公開されている強震記録を使いました。また、震源データは気象庁で決められている一元化震源を用いました。 これらの活動に関わっていらっしゃる方々の努力に敬意を表すると共に、篤くお礼申し上げます。

index_map

2つの地震のすべり量のコンター図。コンターの間隔は1 m。

データ

 波形解析では、(独) 防災科学技術研究所のK-Net、Kik-Netで収録された強震記録を使いました。0.1 - 0.6 Hzのバンドパスフィルターをかけ、数値積分により変位としました。観測点の配置と断層の位置は以下のようになります。

11月29日の地震

仮定した断層パラメターの値

 断層の幾何(走向、傾斜角、すべり角)は、Harvard大学によるquick CMT解を参照しました。震源の位置は、気象庁一元化震源(暫定値?)の値を採用しています。観測点の配置と断層の位置は上の図のようになります。

 図の星印は震央、▼は観測点です。赤い矩形が11月29日の地震に対して仮定した断層を地表に投影したものです。

解析手法

 いわゆるmultiple time windowによる解析ではなく、破壊開始時刻をも推定する非線形インバージョンをおこないました。

 速度構造として水平成層構造を仮定して、Green函数を計算しました。全ての観測点で同じ速度構造を仮定しました。

結果

1.5 km x 1.5 kmごとのすべり量と破壊開始時刻を波形から求めました。

  • 破壊開始点(図の星印)に1つだけすべり量が大きなところ(アスペリティ)が見られる。
  • 破壊開始直後、破壊フロントは急激に広がっている。但し、南西の深部には広がりが鈍い。その後は、ほぼ等速で広がっている。
  • 当初破壊が広がりにくかった南西の深部へすべり量が多い領域が滲み出すように広がっている。
  • 地震モーメントは8.3x10^19 Nmで、モーメントマグニチュード(Mw)は7.2。なお、ハーバードのCMT解の地震モーメントは3.5x10^19 Nm (Mw=7.0)。

Nov_fault_model

12月6日の地震

仮定した断層パラメターの値

 断層の幾何(走向、傾斜角、すべり角)は、Harvard大学によるquick CMT解を参照しました。震源の位置は、気象庁一元化震源(暫定値?)の値を採用しています。観測点の配置と断層の位置は上の図のようになります。

 図の星印は震央、▼は観測点です。青い矩形が12月6日の地震に対して仮定した断層を地表に投影したものです。

解析手法

 いわゆるmultiple time windowによる解析ではなく、破壊開始時刻をも推定する非線形インバージョンをおこないました。

 速度構造として水平成層構造を仮定して、Green函数を計算しました。全ての観測点で同じ速度構造を仮定しました。また、11月29日の地震を解析する際に仮定した速度構造と同様です。

結果

1 km x 1 kmごとのすべり量と破壊開始時刻を波形から求めました。

  • 破壊開始点(図の星印)に1つだけすべり量が大きなところ(アスペリティ)が見られる。
  • 破壊開始直後、破壊フロントは南西側に急激に広がっている。その後は、ほぼ等速で広がっている。
  • 破壊開始点の南西側にすべり量のピークの位置がある。
  • 地震モーメントは3.8x10^19 Nmで、モーメントマグニチュード(Mw)は7.0。なお、ハーバードのCMT解の地震モーメントは1.5x10^19 Nm (Mw=6.8)。

Dec_fault_model


最終更新日:2004年12月23日
禁無断転載
著作・制作:堀川晴央 (h.horikawa@aist.go.jp)
活断層研究センターのホームページ入り口へ
地質調査研究総合センターのホームページ入り口へ
堀川晴央のホームページの入り口へ