独立行政法人産業技術総合研究所
ナノシステム研究部門

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2012.5.5
Raymor社の単層CNT
先日、取り扱い業者から参考文献が届いたので、紹介しておく。Large-scale production of single-walled carbon nanotubes by induction thermal plasmaという論文である。2007年の論文なので、この手の合成法の論文としては確かに新しい部類に入る。ちゃんと読んでいないが、触媒や原料カーボンを何種類か試している様だ。この論文に使われている電子顕微鏡写真は、販売している商品の技術資料と同じものだと思われるが、触媒に関する情報は、商品とは少し違っている様だ。我々も分析を行ったわけではないので、実際のところ、どうなっているのかは良くわからない。
2012.4.27-2
Nanocyl社の多層CNT
私は基本的に単層CNTしか研究しないので、多層CNTの世界はあまり知らないのだが、Nanocylの多層CNTは、私の知る限り非常に良く売れている多層CNTである。以前、ちょっとだけいじった事があり、分散性の高さに驚いた。高純度の単層CNTど類似の分散性を示し、紙状にも成形可能であった。今回、この多層CNTを研究対象に含めてみたいと考え、購入しようとNanocyl Japanに問い合わせたところ、直接ベルギーのNanocyl社から購入するのが安い事、日本の代理店の商社を通して購入すると、2kgで6万円程度の価格である事を教えていただいた。下記のRaymor社の単層CNTの安価にも驚いたが、Nanocylはさらに驚きの価格である。この、高い方の購入方法で30円/gということになる。まさに桁違いの安さである。単層CNTで、この価格を実現するのは非常に困難である。つまり、桁違いに高い単層CNTを買ってもらうためには、桁違いに高い性能を出す必要があるとも言える。こいつはなかなか難しい。
2012.4.27
新人歓迎会
昨晩は、大将で新人歓迎会を行った。いつもの事ながら、ぐたぐたな飲み会になってしまったが、まあ、それなりに楽しかったのではないだろうか。今週は、グループ写真も新しいものに変更した。ちょっと遅くなったが、ようやくリニューアルである。
下記のRaymor社のSWCNTだが、通常の分散・超遠心処理で得られる孤立CNT分散液の濃度は、HiPcoの半分以下であった。残念ながら、CNTの含有率は高いものではないと思われる。下にも書いたが、通常FeNi系のアーク放電SWCNTでは、それほど高純度は期待できないので、まあ順当なところであろうか。raw sootのRamanスペクトルには、アモルファスカーボン由来の大きなD-bandが観測されるが、超遠心で精製されると、比較的欠陥の少ない良好なSWCNTのスペクトルを示した。

2012.4.24
NPO2012
下に書いた国際ワークショップNPO2012の参加申し込み締め切りが延長されたとの連絡があった。4/30まで延びたようだ。まあ、良くある話である。この会議、かなり小規模でアットホームなのだが、招待講演者はなかなかの面子である。森と湖しかない場所での開催なので、避暑としても具合が良い。ちなみに、フィンランドはかなり治安は良い方だと思う。実際のところは知らないのだが、国際線のセキュリティーチェックが非常に緩いところから、そのように想像される。予算に余裕のある方は、検討されてはいかがだろうか。今年は、宿泊施設もなかなか粋なところらしい。ちなみに、NIMSの塚越氏も招待講演をする様である。ナノチューブ、グラフェン関係者は参加しても損はないと思う。
2012.4.22
Raymor社のSWCNT
今年のナノテック2012でカナダのRaymor社のSWCNTが話題となった。理由は、その低価格である。プレスリリースした10 ドル/g(ただし、1kg以上のオーダー)という低価格は、これまでの市販SWCNTの1/50程度であり、驚きの価格である。非常に興味があったのだが、先日取り扱い業者(株式会社ニューメタルス エンド ケミカルス コーポレーション)から公告メールが届いたので、早速10gほど発注した。少量発注の場合は、20ドル/gということで、そこに代理店のマージン(?)等が入り、結局は3500円/gとなった。名城ナノカーボン社のSWCNT(APJ)が1万円/g程度なので、驚くほどの低価格という訳ではないが、確かに安価である。後は、純度と品質がどうかと言うことになる。まだ届いたばかりなので、何も試験していないが、見た目ではかなり高密度のススで、大きな塊になっている。粉状ではないところを見ると、そこそこ期待できる感じである。触媒はFeNi系、製法はトーチアークである。この系では、Yを触媒に含まないため、通常はあまり高純度を期待できないのであるが、さて、この製品はどうであろうか。ススの一部をトルエンに入れてみると、すぐに着色した。そう、フラーレンが含まれているのである。通常、アーク放電によるフラーレンの収率は数%〜10%程度であるから、この製品にも、数%程度のフラーレンが含まれている可能性がある。トルエンの色からすると、通常の製法よりもやや高次フラーレンの比率が高い様に思われる。これは比較的高温で合成されている事を示唆しており、それからすると、CNTの直径もやや太めになっている可能性がある。カタログによれば、直径1.1〜1.7nmと言うことで、非常にブロードな分布になっている様である。(未確認)
いずれにしても、安価なSWCNTは非常に魅力的である。今後、純度評価等を行って行く予定である。

2012.4.21
ロシアとの2国間共同研究を行っているが、今年度は2年目であり、成果発表と交流をかねて、フィンランドで行われるNPO2012に出席する事にした。ロシアとの共同研究なのに、なぜフィンランドという感じだが、ロシアとフィンランドは近い事もあり、NPOの参加者の多くはロシアの研究者と学生だ。共同研究先のグループは主催者の一人であり、成果発表と交流を兼ねることになるわけだ。参加登録の締め切りが4/20であったため、年度末の忙しさにかまけて3月は放置していたのだが、気がつけばもう締め切り間近ということで、締め切りぎりぎりの4/20に申し込んだ(締め切り当日だが、時差の関係で現地時間ではまだ余裕がある)。間に合ってほっとしていたところ(間に合わないと実施計画の変更が必要になるため)、早速オーガナイザーから歓迎のメールがあった。招待されていない国際会議に出席するのは、確かに久しぶりなのだが、こんなにすぐに歓迎されるとは思っていなかった。ありがたい話だ。メールには、なにやらスペシャルオファーが書いてあったが、今回は粛々と参加する予定である。前回参加したときは、涼しいはずの夏が猛暑で、珍しい夕立も経験した。今回は涼しい夏を過ごせることを祈る。
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