三宅島2000年噴火のマグマ

三宅島2000年噴火の噴出物に含まれるマグマ物質には,6・7月噴出物の玄武岩質安山岩と8月噴出物の玄武岩の2種類がみとめられる.二つのマグマの活動は,ちょうどカルデラ形成をはさんで入れ替わっていることなどから,噴火前三宅島直下の浅いところ(~数km)に蓄えられていた安山岩マグマが岩脈を通って三宅島-神津島間に流出してしまい,より深いところに蓄えられていた玄武岩質マグマがカルデラ形成後に上昇・噴出したと考えられる(下司ほか,2002.「火山」)。2002年春現在も続いている大量の火山ガスの放出も,カルデラ形成後新たに浅部に上昇してきた玄武岩マグマからもたらされていると考えられる.



6・7月噴出物中の本質物質

6月27日海底噴火・7月山頂噴火で噴出したマグマ物質は,SiO2量約54%の玄武岩質安山岩である.いずれも斑晶に乏しい.とくに,6月海底噴出物はほぼ無斑晶である.斑晶組み合わせは,斜長石+オージャイト+磁鉄鉱(+カンラン石)である.6月海底噴出物の石基はガラス質で,斜長石とオージャイトの微結晶が散在する.7月山頂噴出物の石基の結晶度,発泡度は不均質で,単一スコリア粒子(径1mm程度)内でも不均質が認められる.

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8月山頂噴出物中の本質物質

8月山頂噴火で噴出したマグマ物質は,SiO2量約51%の玄武岩で,径数mmの斜長石斑晶を15-20%含む.斑晶組み合わせは斜長石+カンラン石である.7月山頂噴出物に比べ,石基結晶度が高く,発泡度が均質(30-40%)である.

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全岩組成

2000年噴出物の全岩組成をハーカー図上で示す(ハーカー図へ).6月,7月噴出物はいずれもほぼ同一の組成範囲にプロットされる.6・7月噴出物と8月噴出物の間には明瞭な組成ギャップが存在する.
6・7月噴出物の組成は20世紀の割れ目噴火の噴出物,とくに1983年噴出物のうちもっともSiO2に富む組成のものと類似する.一方,8月山頂噴出物の組成は過去3回の噴火のいずれの噴出物とも異なる.






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