三宅島現地調査2002年8月

(4)火山灰の堆積状況など



スオウ穴東側にてトレンチした2000年火山灰。下位から7月14-15日、8月10日、18日、および29日の火山灰が認識できる。スケールは1m。ほとんどが細粒の火山灰〜火山砂からなる。8月29日噴出物中には少量の噴石が含まれる。



南西側登山道途中の8月29日火山灰の堆積状況。火砕流として流れ下ったため、沢筋などでは局所的に厚く堆積している。直後に発生した土石流の堆積物がその上を覆っているため、火山灰がよく保存されている。



8月18日噴火では西側山腹を中心に多数の噴石が飛散した。噴石が着地した地点にはこのような衝突クレータが残されている。衝突クレータのくぼ地には、その後の8月29日の火山灰がよく保存されているため、写真のように衝突クレータの中の堆積物を狙って調査を行った。薄いピンク色かかった成層した火山灰層が8月29日噴出物。衝突クレータの外では、このような薄い火山灰層は侵食されてほとんど残っていない。村営牧場椎の木ランドにて。8月24日。



ガリーの側壁に露出する8月18日衝突クレータの断面。上の写真のような衝突クレータの断面を見ている。火口は画面左方向約1kmにあり、そこから投出された直径50cmほどの岩塊が地下約80cmまで突入している。着地の衝撃で旧地表面(芝生が見えている)が下方に大きくたわんでいる。衝突クレータの中には、その後の8月29日の噴出物(ピンク色がかった薄い火山灰層)が二次堆積物に覆われて保存されている。村営牧場椎の木ランドにて。8月24日。

 

島の南東部の坪田地区には、8月18日の噴火の後半に多数の火山礫が降下した。坪田中学校グラウンドはこのようにそのときの火山礫で一面に覆われている(左)。礫のサイズは1cm以下のものが大半だが、なかには5cmに達する大きな礫が存在している(右)。これらの礫の半数以上をしめている黒色のスコリア礫が、2000年噴火の後半に上昇してきた玄武岩質マグマに由来する本質物質であると考えられている。



阿古からレストハウスに登る登山道路沿いにみられる2000年噴出物。8月18日および8月29日の噴出物が識別できる。18日噴出物は本質物のスコリア片に富むため暗灰色をしており、高い噴煙柱から降下した、淘汰のよい火山礫や火山豆石からなる。29日噴出物は山腹に沿って流れ下った低い火砕流噴煙からもたらされたため、淘汰の悪い細粒の火山灰からなる。噴火直後に泥流堆積物に覆われたため,10cm以下の薄い火山灰層がよく保存されている。



鉢巻林道の地獄谷付近でみつけた、火山灰中に保存された足跡。ハワイのKeanakakoi火山灰に保存された足跡をほうふつさせる。足跡は7月14−15日火山灰の上についており,8月18日や29日の火山灰がそのうえに堆積していることから、7月噴火と8月噴火の間につけられたものであることがわかる。火山灰調査や泥流調査のため私たちもこの地点付近を歩き回ったため、ひょっとすると自分自身の足跡があるかもしれない。



(5)山腹・山麓の様子に進む

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