陥没カルデラの構造的特長

2000年噴火によって形成された陥没カルデラの構造的特長は,その形成メカニズムの手がかりを示しています.7月9日に観測されたカルデラの構造は,地下浅部に形成されていた空洞に向かってその天井部が崩壊したことを示唆しています.


陥没カルデラの構造的特長

山頂噴火翌日の7月9日に撮影された航空写真(アジア航測撮影)を用いて陥没カルデラの構造を判読した(7月9日構造図).
7月9日の陥没カルデラの構造は,ほとんど変形せずほぼ垂直に沈降した中心部分と,それを取り巻く,カルデラ内部に向かって傾動し,かつ伸張した外縁部からなる.中心部分は北東-南西方向に長い,約600×500mの楕円形の領域で,そのほぼ中央部に,北西-南東方向に配列した数個の爆発火口が存在する.外縁部の幅は北西側で広く約300mあり,南東側では狭く50m以下で,9日正午時点ではほとんど崩壊し原形をとどめていない.外縁部にはカルデラ外周に平行な弧状の開口割れ目が発達し,割れ目を挟んでカルデラ内側がより大きく沈降している.中心部と外縁部は高さ50m程度の崖によって隔てられている.

7月8日の陥没カルデラ出現後,陥没カルデラ床は断続的(?)に陥没を続けた.7月9日,10日,11日に撮影された陥没カルデラの映像からは,陥没カルデラの深さが増加し,かつカルデラ床の変形が進行していたことが読み取れる(陥没量グラフ).
9日から11日にかけて,カルデラ床中央部のブロックはほとんど変形せず,垂直に沈降を続けている.カルデラ床外縁部ではカルデラ中心への傾動が進行し,かつ外縁部全体がカルデラ中心に向かって滑落している.
3日間のカルデラ床沈降速度は約90m/日である.この間,カルデラからの噴火活動は観測されていない.

カルデラの拡大は2000年8月中旬ごろまで継続した.カルデラの直径は8月下旬には1.6kmに達した.(カルデラ構造変化)カルデラの体積増加率はほぼ一定であったと思われる.





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